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2000年11月8日(水)

ちょっと良い話し

 アルボルで出会った友達がいます。S氏とK氏です。先日お店で3人で飲む機会がありました。そこで聞いたちょっと良い話です。

 K氏はアパレル関係の会社で働いています。そこでS氏と僕はK氏に色々アパレル業界について聞いていました。ブランドはどこが良いの? とか、高い服は本当に良い品なの? とかです。
 K氏はそこで自分のある体験談を語り始めました。


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 それはK氏がまだ就職したてのころです。アパレル業界について何にもしらず、ましてや背広のブランドについての知識もなかった若い時分の頃の話です。

 K氏は会社に勤めるにあたって生まれて初めて背広を買いに行きました。タカQに出かけました。店内で対応してくれたのは年の頃にしてほとんど自分と変わらない女性の店員さんでした。

「背広のこととか全くわからないんだけど・・・」
「私もまだ良く分からないんですが、お客様に合うかどうかはお話できると思います」

 どうやらその若い女性の店員さんはまだお店に入りたててのようです。少し心配気味のK氏でしたが、店員さんが幾つか紹介してくれる背広を見比べて見ることにしました。

 「まぁ。これでいいかなぁ」とある背広を決めたK氏は、ズボンの丈を計るため試着室でズボンをはきました。足元ではその店員さんが裾の丈を調べています。ふと気がつくと店員さんがどうやら泣いている事に気がつきます。

「どうしたん? 俺なんか悪いことしてしまったか?」K氏が聞くと、
「すみません、違うんです。私、初めて背広を買ってもらえたんで・・・」
と女性の店員さんは涙声でつぶやきました。

 それからそのスーツはK氏の宝物になりました。もう10年以上も着ています。どんなブランド品よりも、どんなに高価なスーツよりも、一生懸命背広を売っている店員さんが初めて売った思い入れの背広です。大切に着ています。

 K氏は言います。服を買うときにブランドや値段で決めるのも構わないけれど、自分は店員さんとの相性や、なにか自分なりのこだわりをもって服を選びます。そして一度買ったものは大切にしていきます。それが服の寿命を延ばします。決して値段やブランド物が長持ちするのではありません。それを見につける人の気持ちが物を長持ちさせるのです

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 なんか今日は良い日になりました。アルボルで出会った友達は最近とても増えました。みんなとても良い人達ばかりです。だから辞められません。アルボルへ行くのは。

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